意外な嵐

他人の言葉を借りずに、自分の言葉で紡ぎます。ユーモアを大切に

飛んだ

生活リズムの破綻した夏休み。だけど今日は昼過ぎに起きなかった。昼前にウェブ上で大学の成績発表があったから。成績発表の時刻に起きる!と体に言い聞かせるとホントに起きられる。1発でその時刻に起きる訳ではなく、ドキドキしすぎてその時刻より前に目覚めては2度寝、目覚めては2度寝を繰り返しただけだ。寝ることを繰り返したら、もはや2度寝とは言わないのかもしれないけど。

ぼちぼちフル単も確認しつつ、軽く即席生麺を茹でて食べてから、すぐに家を出た。その日の夕方から塾講師のバイトがあったけど、昼過ぎには家を出た。隔月ぐらいで来るひとりカラオケ欲求が今日来たからだ。

2時間ぶっ通しでひとりでカラオケを楽しんだ後、バイトまでまだ時間があったからブックオフの古着コーナーで秋物を物色した。信じられないぐらい安い手頃なコートを2枚買った。流行り物の服を安く手に入れる方法は、古着屋でシーズンからズレた服を買うこと。まずシーズンからズレた服は当然安い。普通の服飾店ではシーズンオフの服は置かないから、古着屋でしかこの作戦は通用しない。次に、服の流行っていうのは数年おきにサイクルで回り続けている。ファストファッションストアに出回っている服ってのは流行真っ只中かちょっと遅れた服。じゃあ古着屋の服って時代からさらに遅れた服だと思いがちだけど、サイクルしていることを考慮すると、むしろ流行を先駆けた服だと捉えることができるんだ。もちろん、たくさんある古着の中からアタリを選ぶ審美眼が必要にはなるけど。

古着を物色してもギリ時間があったから、スキマ時間を使って10分で家系ラーメンを体に注入した。ボロッボロのラーメン屋に冒険で入ってみたけど、アブラもキツくないシンプルに美味しい家系ラーメンだった。家系ラーメンを見直すレベルの良いラーメンだった。

散々ひとりで遊んできたけど、そもそも今日の目標はアルバイトだ。計画通りにバイト先に到着した俺はタイムカードも押していざ授業を始めるぞ!というタイミングで、ひょっこり出てきた事務員さんから話しかけられた。

「ごめんなさい今さっき連絡があったのだけれど、今日の2コマ分の生徒さんどちらもお休みです」

授業が飛んだ