轍を読む
僕たちはまだ終戦から100年すら経っていない世界に生きている。生まれた時から平和だったから、自分はユートピアに生きていると感じていた。でも最近ようやく歴史の途中に生きている実感が湧いてきた。令和に入ってから歴史的な事件が多発しているのは事実だけどそれは関係ない。ただ、今まで信じてきたものは人類がわずか数十年の間に構築してきたものだけに過ぎず、常識は簡単に崩れる可能性を秘めてることに気がついた。
だけど、ただ常識を疑えと思っている訳ではない。現代は人類のある程度の到達点だとは思っている。例えば、国境線が現状でなんとか折り合いがついていたり、民主主義で落ち着いたりね。
なんで世界をひとつの国に統一しないんだろうって考えたことがあったんだけど、それってまさに中世の元首たちが考えてたことで、なんやかんやドンパチあって今に落ち着いてるんだろうなって気づくと、もう国境が変わることはあまりないとすんなり受け入れられた。
民主主義もわりと受け入れられてる。やっぱりウィンストン・チャーチルの言葉が大きく自分の心に響いている。
これまでも多くの政治体制が試みられてきたし、またこれからも過ちと悲哀にみちたこの世界中で試みられていくだろう。民主主義が完全で賢明であると見せかけることは誰にも出来ない。実際のところ、民主主義は最悪の政治形態と言うことが出来る。これまでに試みられてきた民主主義以外のあらゆる政治形態を除けば、だが。
先人たちが散々試みた末に落ち着いた政治体制に、今更僕たちは何を言うんだろう。
先人たちの歴史を趣味の範囲で読むことに関してはなかなか楽しいと思っているんだ。強制されて暗記するのはごめんだよ。